現在、中学3年生の長男には発達障害があります。
小学校4年生ごろから、腹痛やめまいといった体調不良を訴えることが増え、理由がはっきりしないまま学校を嫌がる日もありました。
当時の私たち家族は、「学校へ通うのが当たり前」「とにかく休ませないことが大事」だと信じて疑いませんでした。
だからこそ、何とか通わせようと必死になり、言葉をかけ、時には強く促しました。
でも、その“当たり前”が、長男をますます追い詰め、苦しめる結果になってしまったのです。
気づけば、少しずつ、しかし確実に、親子の間に見えない溝が広がっていました。
不安の大きな要因は…

私たち親世代は、どこかでこう信じてきたのかもしれません。
「良い高校へ行き、良い大学へ進めば、良い就職ができる。
そして、それが“良い人生”につながる」――。
だからこそ、長男が中学校へ行けない状況は、私にとって“未来の危機”にしか見えませんでした。
出席日数は足りず、勉強も遅れていく。
学校に行かなければ、友だちもできず、人間関係が築けない大人になってしまうかもしれない。
引きこもりになるのでは…と、心の片隅で最悪のシナリオばかりを描いていました。
「なんかもう終わったかもしれない…」――そんなネガティブな思い込みが、頭から離れない。
自分に「大丈夫」と言い聞かせても、払拭できない。
今振り返れば、それはまさに“親のエゴ”と“情報不足”でした。
そんな時、ふと目に飛び込んできたのが、
N高等学校のテレビCM。
心がざわつき、「何だろう、この学校…」とすぐに検索。
そして画面を見た瞬間、心の中で叫びました。
――「ここだ!!!」
N高等学校との出会い

その瞬間、私は感動で身震いしました。
「N高等学校は、まるで息子のためにあるのでは…?」と思うほど我が家の希望にぴったりと寄り添う学校だったのです。
たとえば――
- 通信制で、学びはほぼオンライン完結。その日の体調に合わせて学びを進められる。
- 将来目指すプログラマーやゲームクリエイターにつながる専門的な学びができる。
- 最新の技術を取り入れた授業や、心躍る学校行事が満載。
- 修学旅行はなんと沖縄!
- 登校したくなったら、週1・週3・週5の通学コースに切り替え可能。しかも年4回のチャンスあり。
- ネットコースは入試なし。極度な不安や緊張を抱えることなく、中学卒業まで自分のペースで学びを進められる。
読み進めるほど、「これなら長男も笑顔になれるかもしれない」と心が温かくなっていきました。
さっそく長男にN高等学校のことを話すと――
彼は目を輝かせて話に耳を傾け、やがて「行ってみたい」と強い関心を示しました。
そして、欠席日数や入試への不安が解けた安堵から、しばらく見たことがなかったような笑顔を、私に向けてくれたのです。
学びの場を見直す決断~学びの場は学校だけじゃない~

その夜、私たちはすぐに時間を作り、
N高等学校のこと、長男の希望、そしてこれからの過ごし方や私たちのスタンスについて、夫とじっくり話し合いました。
進路については、夫も迷うことなく大賛成。
- 入試の心配をしなくていいこと
- 確実に高校へ進学できること
- そして何より、長男が将来に希望を持てたこと
これらが、私たち家族の目の前に急に明るい未来を広げてくれたのです。
その中で、夫婦でひとつの約束をしました。
「もう“学校に行きなさい”という言葉は口にしない」
私は以前からできるだけ言わないようにしていましたが、夫は長男の将来への不安が強く、時に強い口調になってしまうことがありました。
そのたびに長男は混乱し、悲しい表情を浮かべていました。
だからこそ、この約束は私にとっても、心からホッとできるものでした。
ただし、私たちも大切なことを息子と約束しました。
学びの場は自由で構わない。けれど――
- 将来に必要な最低限の知識と教養を身につける努力をすること
- スケジュールや時間の管理はきちんとすること
この2つだけは、最大限努力すること。
それが、私たち家族の新しいスタートラインとなりました。
長男の変化

その日を境に、長男の様子にははっきりとした変化が現れました。
- まず、笑顔がぐんと増えた
- 弟への接し方が優しくなり、以前より仲良く遊ぶようになった
- 自分から家事を手伝ってくれるようになった
- 朝の起床時間が少しずつ早くなってきた
- 体調の良い日が増えた
- ゲームの時間が減り、将来のための勉強をする時間が増えた
まだまだ挙げればきりがありませんが、大きな変化だけでもこれだけあります。
もちろん、まだ一緒に取り組んでいる課題もあります。
それでも、親として、これほど嬉しいことはありません。
正直、「学校へ行くべき」という固定概念を手放すには、とても大きな勇気が必要でした。
けれど、今こうして長男の成長や笑顔を見るたびに、心から思います。
「あの時、この選択をして本当に良かった」――と。
おわりに
学び方や進路は、本当に十人十色です。
私たちの選択が、すべてのお子さんにとって正解だとは思いません。
それぞれの子どもやご家庭には、その子に合った別の道がきっとあります。
けれど――
もし今、不登校や進路のことで悩み、出口が見えないと感じている方がいたら、
「学びの場所を変える」という選択肢があることを、どうか知っていてほしいのです。
それは、逃げではなく、新しいスタートラインに立つための一歩。
一人でも多くの子どもたちが、
そして一つでも多くのご家庭が、
笑顔と安心に包まれますように。
心からそう願っています。
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