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セキセイインコが体調不良に…病院での処置・費用と自宅でのケア体験談

闘病中のセキセイインコを心配そうに見つめる飼い主

わが家には、5歳になるメスのセキセイインコがいます。

とっても愛嬌があって、人懐っこく、触れ合いも大好き。
その小さな体からは想像できないほどの存在感で、家族みんなの癒しになっている、まさにわが家のアイドルです♡

ただ、少し気になることもあります。
発情しやすい体質で、一年を通して卵を産むことが多いのです。
最近は、フンをする時に少し力んでいるように見えることもあり、ささやかな心配が頭をよぎっていました。

そんなある日、わが家のセキセイインコに、いつもとは違う様子が見られました。
びっくりはしましたが、「大丈夫、きっと何とかなる」と心を落ち着けながら過ごしたその時のことを、振り返ってみたいと思います。

目次

セキセイインコの病気~発見と初期症状~

最初の異変に気づいた瞬間

最初にセキセイインコの異変に気付いたのは、長男でした。

「え?〇〇ちゃん(セキセイインコ)のおしり、ちょっと赤くない?」

いつも通りに元気いっぱいなので、私もすぐには気づきませんでした。
でも、その直後「一緒に遊ぼう♪」とケージの柵につかまった瞬間、お尻が少し赤くなっているのが見えたのです。

よく見ると、お尻から赤く小さな突起のようなものが出ていました。
そのときは「何だろう?」という驚きと同時に、胸がざわつきました。

すぐにネットで調べてみると、「脱腸」の可能性があると書かれていました。
中には放置すると悪化することもあるとあり、これは一刻も早く対応した方が良いと判断しました。

この状態を長く放置すると、乾燥や炎症、排便・排尿のしづらさなど、インコにとって負担になることがあるそうです。
何より、早めに病院で診てもらうことが安心につながります。

難航するセキセイインコの病院探し

時刻は夕方6時
慌てて夫と一緒に、「今からでもセキセイインコを診てくれる病院」を探し始めました。

条件は2つ。

  • セキセイインコなど小鳥を診察できる病院(犬や猫専門は多いけれど…)
  • 初診でも今の時間から診てくれるところ(初診は受付時間が早く終わることが多い)

まず、かかりつけの病院に電話しましたが、すでに受付終了でつながりません。
他にも夜7時まで診察している病院はあっても、「初診は夜6時まで」と言われてしまうこともありました。

夜間急病センターも車で15分ほどの場所にありましたが、その日は小鳥を診られる獣医師が不在とのこと。

そこで、さらに範囲を広げ、少し遠方の病院にも片っ端から連絡しました。
何件目かで、ようやくこんな返事をいただきました。

「小鳥は普段は診ていないけれど、腸を戻すくらいなら対応できます。ただし外科処置はできません。
 それでもよければ。
 なお、通常の診察時間は7時までなので、それ以降は割増料金になりますが大丈夫ですか?」

5件以上断られ、時間も迫っていた私たちは、この病院にお願いすることにしました。
車で高速道路を使って向かい、何とか時間内に到着。

診察の結果は、脱腸ではなく「卵管脱」と「卵塞」
無事に処置を受けられたことで、胸をなでおろしました。

再発と手術の決断

ほっと胸をなでおろしたのも束の間…。

翌朝様子を見ていたら、フンをした拍子に、またお尻から赤い部分が見えてしまいました
「これはまた早く処置をしなければ」と直感しました。

今回は、手術が必要になるかもしれない――そう思いながらも、落ち着いて昨日病院からいただいた「グリセリン」を患部にやさしく塗布しました。
乾燥を防ぐための大切なケアです。

すぐに、かかりつけの病院へ電話をし、なんとか午前中に診てもらえることになりました。
このときは本当にほっとしました。

こうして、わが家のセキセイインコと私たちの、小さな体と向き合う闘病の日々が始まりました。

セキセイインコは、出てきた卵管を気にしてくちばしでつついてしまい、その部分に小さな傷ができて炎症を起こしていました。
そのせいで腫れてしまい、排便がうまくできない状態だったのです。

先生からは こう説明がありました。

「レントゲンで他の合併症がないか確認します。その後、卵管をもとの位置に戻し、脱出しないよう2針の縫合手術をします。その際に抗生剤などのお薬も入れます」

飛び込みでの診察でしたが、他の診察の合間を縫って、すぐに処置を進めてくださいました。
私たちはただ祈るばかりです。

しばらくして先生から連絡が入りました。

「無事に処置が終わりましたが、体調が少し不安定なので、このまま1日入院していただけますか?」

もちろんお願いしました。
ようやくひと安心…と思ったのですが、数時間経ってから、さらにお電話がありました。

「思っていた以上に体調が落ち着かず…そのまま入院はできなくもないのですが…
 夜間は十分に見守れないため、万が一に備えて、おうちで過ごさせてあげる方が良いかもしれません」

その言葉に胸がぎゅっと締めつけられましたが、「一緒にいてあげたい」という気持ちも強く、お迎えに行くことにしました。

病院に着くと、すぐに処置室に案内されました。
処置室の中に入ると、NICUで使われている装置に入って休んでいるうちの子がいました。
普段なら大好きな家族の前では元気なふりをするのに、この日は静かに羽を膨らませて休んでいます

家に連れて帰り、慣れたケージにそっと戻しました。
この時間が少しでも穏やかであるよう、家族それぞれがやさしく声をかけ、静かな環境を整えてケージに布をかけ、「おやすみ」と伝えました。

病気の時に行ったおうちケア

ケージの保温(28〜29℃)
病気で体力が落ちていると、体温維持だけでも大きなエネルギーを使ってしまいます。
少しでも体の負担を減らすため、ケージ内を28〜29℃に保ちました。
冬場に使っていた自作のケージカバー(プラバン製)とペットヒーターを活用し、温かく安心できる環境を作りました。
ケージの底に紙+キッチンペーパーを敷く
止まり木につかまる体力がないときに落下してケガをしないよう、底は柔らかい素材でカバーしました。
また、フンの状態を確認しやすく、さらに保温効果も期待できます。
食べやすい位置にエサと水を設置
下に降りてもすぐ食べられるよう、エサ入れや水入れの位置を低めに調整しました。
移動の負担を減らすことで、少しでも楽に栄養や水分を取れるようにします。
大好物の食材を用意する
この子は小松菜が大好きなので、食欲を刺激するためにいつでも食べられるよう準備しました。
病気のときは「好きなものを少しでも口にしてくれる」ことが大切です。

一晩ともに過ごした緊張の時間

心配でたまらず、夜はできるだけ刺激を与えないようにしながら、1時間おきに様子を見ました。
何度も何度も、静かにケージをのぞき込みます。

明け方前、気づいたらリビングのソファでうとうとしてしまい、朝を迎えていました。
不安と緊張で手が少し震えながら、ケージにかけていた布をそっと外します。

――「生きてる…!」

その姿を見た瞬間、胸いっぱいに安堵が広がりました。

しかし、その直後から吐き戻すような動きが続き、苦しそうに首を大きく縦に振る様子が何度も見られました。
本人もとてもつらそうに見え、昨日とは違う心配が押し寄せます。

すぐに準備を整え、朝一番で病院へ向かうことにしました。
今はただ、「少しでも早く楽にしてあげたい」という気持ちでいっぱいでした。

セキセイインコの病気~手術後の経過~

日帰り入院での治療と経過

その後、セキセイインコはおよそ9日間、日帰り入院を続けることになりました。
朝、診察開始と同時に病院へ連れて行き、診察終了間際に一緒に帰宅する…そんな日々が続きます。

入院中の処置は、

  • 皮下注射
  • 点滴
  • 強制給餌
  • 院内投薬(抗生薬・胃腸薬など)

が中心でした。

注射や点滴は背中から行われることが多く、帰宅時には少し羽が乱れている様子からも、処置を受けていることがうかがえました。

嘔吐が強く、自力でエサを食べられないため、強制給餌は1時間おきに1ccずつ行っていただきました。
※通常は2ccを2〜3時間おきとのことですが、今回は体調を考慮して少量ずつ、こまめに対応してくださったそうです。

なぜ卵管脱の処置後に吐き気や胃炎が起きたのか…先生からは、いくつかの要因を伺いました。

  • 手術や入院によるストレスで消化器官の動きが低下した
  • 卵管脱に細菌感染が起き、その炎症が消化管に広がった(セキセイインコの消化管は一本でつながっており、近隣の臓器へ影響が出やすい)
  • 抗生薬で胃の粘膜が荒れてしまった(さらにエサが食べられず、ダメージが大きくなった)

その後も嘔吐は続き、食べてもほぼ未消化のまま排泄される日々がありました。
ときにはフンが黒っぽい色になることも…。これは消化器官からの出血が関係しているとのことです。

体重は、もともと小柄で38gほどだったのが、あっという間に29gまで減ってしまいました
先生からも「少し厳しい状態」と言われ、私たちも心配が募ります。

それでも、毎日病院で丁寧にケアしていただき、少しずつでも回復のきっかけを探る日々が続きました。

病院での処置とストレスのはざまで…

わが家のセキセイインコは、まだ自力で十分にエサを食べられない日が続いていました。
食べようと頑張ってくれるのですが、便は未消化だったり、黒っぽくなったり…。
そうなると、やはり病院での強制給餌が必要なのでは…という思いが頭をよぎります。

ただ、セキセイインコはとても繊細な生き物です。
度重なる入院や注射で、大きなストレスを受けていることも明らかでした。
病院での処置が体に必要だと感じる一方で、その通院や入院そのものが体調に影響を与えていることも否定できません。

体重はじわりじわりと少しずつ減り続けていました。
「もし日帰り入院をやめてストレスが減っても、自力で食べられなかったら…」という不安も消えません。

そして、これまでの治療費はすでに12万円を超えていました
食べ盛りの三人の子どもたちの中でも、長男は高校進学を控えています。
家計のことも考えると、この先どこまで続けられるのか…現実的な悩みもありました。

夜もなかなか眠れず、考えているうちに何度も涙がこぼれました。
そんな中、夫と何度も話し合いを重ね、ひとつの答えにたどり着きました。

「私たちにできることはやった。これからは、安心できる我が家で、できる限りの看護と愛情を注ごう」

私たちは、
抜糸を終えたらセキセイインコの日帰り入院はやめ、家で過ごさせることを決めました。
この選択が、わが家にとっても、そして何より本人にとっても、少しでも穏やかな日々につながることを願って

おうちケアを始めて…その後の様子

1日目:まだ厳しい状態

  • 吐き気があり、実際に吐くことも。便は黒っぽい色や未消化のものが見られ、お尻も汚れている。
  • エサは頑張ってついばむが量はごくわずか。
    • シードを半分すりつぶしたもの+高たんぱく質の栄養補助剤(小さじ1/4)を用意。
  • 水を飲んだ形跡はなし。止まり木にとまる体力がなく、ケージの底で過ごす。
  • 羽を膨らませたまま眠ることが多い。
  • 体重:30g(キープ)

2日目:小さな変化が見え始める

  • ふらつきながらも、小松菜を自力で食べる。
  • 小松菜をちぎってエサ箱に入れ、エサがついた小松菜を食べる姿も。
  • 便は黒っぽいものと通常の色が半々に。未消化便が減り、お尻の汚れも改善。
  • 水はまだあまり飲まない。
  • 体重:31g(少し増加!)

3日目:元気の兆し

  • 止まり木の移動時に少しふらつくが、羽を膨らませて寝ることは減ってきた。
  • エサをしっかり食べ、水も少し飲むようになる。
  • 小松菜を食べるときの力強さが戻ってきた。
  • 便の色・状態ともに良好。お尻もきれいに。
  • 元気に鳴き、自分の名前を呼ぶ姿も見られ、感動の瞬間!
  • 体重:32g(確実に増加!)

4日目:日常の動きが戻ってきた

  • 吐き気は完全になくなり、顔まわりもきれいに。
    • 毎日お湯で湿らせた脱脂綿で拭いていたが、もう必要なさそう。
  • 消化液で顔まわりの羽が抜けてしまった部分はあるが、これから新しい羽が生える見込み。
  • エサも水も問題なく摂取でき、シード+ネクトン(ビタミン剤)に切り替え。
  • 鳴き声や動きに力強さが戻り、小松菜は豪快に散らかすほど(笑)
  • あまり眠らず活動的に。
  • 体重:33g

まだ「もう大丈夫!」と断言できるわけではありませんが、かなり状態が良くなり、落ち着いてきました。
これから先にもきっと新しい課題は出てくると思いますが、今はまず、この穏やかな日々にほっとしています。

安心できたことで、私自身も久しぶりに夜ぐっすり眠れるようになりました。
この小さな変化が、とてもありがたく、嬉しく感じます。

わが家で行った おうちケア

なんと!嬉しいことにセキセイインコが少しずつ元気を取り戻し、奇跡的な回復を見せてくれました。
ここでは、その回復を支えるために、わが家で行った自宅ケアをご紹介します。
あくまで一例ですが、同じような状況の方の参考になれば嬉しいです。

保温で体力の消耗を防ぐ

  • ペットヒーターと、自作の透明プラバン製ケージカバーで保温(28〜29℃を目安)。
  • 底には紙+キッチンペーパーを敷き、保温と安全性を両立。

1日2回のお薬

  • 抗生薬・胃腸薬などを決まった時間に投薬。
  • 少量でも飲ませたかを確認し、ストレスが少ない方法で行う。

エサと水の取り換え

  • 高タンパク質の補助食を混ぜているため、特にエサは傷みやすい。
  • 新鮮さを保つため、毎回しっかり交換。

ケージの清掃(1日2回)

  • 清潔な環境は回復のためにも大切。
  • エサのかすや便をすぐに取り除き、感染予防にもつなげる。

毎日の体重測定

  • 回復や食欲のバロメーターに。
  • 小さな変化にも早く気付けるよう、毎日同じ時間に測定。

お顔とお尻のケア

  • 湿らせた脱脂綿でやさしく拭き取り、汚れや付着物を清潔に保つ。
  • 特に排泄後や食後はこまめにチェック。

小松菜の入れ替え(1日2回)

  • 大好物の小松菜を、常に新鮮な状態で与えることで食欲アップ。
  • 食欲が落ちやすい回復期には、好きな食材が力になる。

病院でかかった費用について

実際にどのくらい費用がかかるのかは、同じように病気と向き合っている飼い主さんにとって、とても気になる部分だと思います。
今回は、わが家のセキセイインコが受けた処置や投薬にかかった費用を、参考までにお伝えします。

もちろん、病院や症状によって金額は変わりますので、「こんなケースもあるんだな」という目安としてご覧くださいね。

同じ症状でも、病院や処置内容によって金額は変わります
今回はあくまで「一例」として、わが家のセキセイインコが受けた処置と費用をまとめます。

日程・病院処置内容金額(税込)
他院(緊急処置)初診料:1,000円
時間外料金:3,300円
卵塞解除:2,500円
6,800円
かかりつけ初診日初診料:1,500円
身体検査料:1,000円
レントゲン検査(2枚まで):7,200円
外科処置(縫合2針):4,800円
皮下点滴:2,000円
注射3種:1,750円
20,075円
2日目日帰り入院料:2,800円
強制給餌(1日):2,800円
内服薬:2,575円
処方管理料:700円
皮下点滴×2:4,000円
注射4種:2,650円
院内投薬×1:500円
17,628円
3〜8日目(6日間合計)日帰り入院、強制給餌、皮下点滴、注射、院内投薬×2(注射の種類・数は日によって変動)78,210円
9日目(診察最終日)日帰り入院料:2,800円
強制給餌:2,800円
皮下点滴:2,000円
注射3種:1,300円
院内投薬×2:1,000円
抜糸:700円
フード(高タンパク質・容器代込み):280円
12,408円

10日間の総額135,121円


かけがえのない家族のための出費です。
もちろん「痛くない額」とは言えませんが、この治療のおかげで今の回復があります。
同じ状況になった方の参考になれば幸いです。

病気から学んだ、日常のケアと予防の大切さ

今では、ケージの外で遊びたいとアピールできるほどに回復してきました。
ここまで支えてくださった病院の先生やスタッフの皆さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

今回の病気の根本は、「過剰な発情による卵塞と卵管脱」でした
今振り返れば、もっと早くに病院で相談していれば…と反省しています。

体力がしっかり戻ったら、自宅でできる発情抑制の対策をさらに強化し、再度病院で診察を受ける予定です。
そのうえで、「発情を抑える薬」を使った治療も検討していこうと思います。

今回、何とか緊急事態を乗り越えることはできましたが、この判断がすべてのインコさんに当てはまるとは限りません。
それでも、状況や体調に応じて選択肢のひとつになり得ると思います。

この経験が、少しでもセキセイインコを大切に思う飼い主さんの参考になれば嬉しいです。

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